厚生労働省 労災隠しは犯罪です

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  • 労災隠しは犯罪です。隠した ( 隠そうとした ) 事業者は労働基準法、労働者災害補償保険法などに基づき処罰されます。
  • 労災を隠して健康保険診療を受けた患者さんは、健康保険法や国民健康保険法などに触れるだけでなく、詐欺罪で処罰される可能性があります。
  • 労災隠しと知りつつ健康保険診療を行った医師、医療機関も法に触れます。
  • それとなく労災隠しだと分かる患者さん、明らかに労災隠しと分かる患者さんなど、結構お見えになりますが、法律にはきっちり則っていただかないといけません。結局、何かあったときに困ることになるのは患者さん自身です。

労働基準法

従業員の労災を隠した ( 隠すように指示した ) 雇用者は、6 カ月以下の懲役又は 30 万円以下の罰金です。

第 75 条
労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかつた場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。
第 119 条
次の各号の一に該当する者は、これを 6 箇月以下の懲役又は 30 万円以下の罰金に処する。
1. 第 3 条、第 4 条、第 7 条、第 16 条、第 17 条、第 18 条第 1 項、第 19 条、第 20 条、第 22 条第 4 項、第 32 条、第 34 条、第 35 条、第 36 条第 1 項ただし書、第 37 条、第 39 条、第 61 条、第 62 条、第 64 条の 3 から第 67 条まで、第 72 条、第 75 条から第 77 条まで、第 79 条、第 80 条、第 94 条第 2 項、第 96 条又は第 104 条第 2 項の規定に違反した者
第121条
この法律の違反行為をした者が、当該事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業者である場合においては、事業主に対しても各本条の罰金刑を科する。ただし、事業主 ( 事業主が法人である場合においてはその代表者、事業主が営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者又は成年被後見人である場合においてはその法定代理人 ( 法定代理人が法人であるときは、その代表者 ) を事業主とする。以下本条において同様である。) が違反の防止に必要な措置をした場合においては、この限りでない。
2 事業主が違反の計画を知りその防止に必要な措置を講じなかつた場合、違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じなかつた場合又は違反を教唆した場合においては、事業主も行為者として罰する。

労働者災害補償保険法

従業員の労災を隠したり、虚偽の報告を労働基準監督署 ( 監督局、政府 ) に行った雇用者は、6 カ月以下の懲役又は 30 万円以下の罰金です。

第 12 条の 7
保険給付を受ける権利を有する者は、厚生労働省令で定めるところにより、政府に対して、保険給付に関し必要な厚生労働省令で定める事項を届け出、又は保険給付に関し必要な厚生労働省令で定める書類その他の物件を提出しなければならない。
第 46 条
行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者を使用する者、労働保険事務組合又は第 35 条第 1 項に規定する団体に対して、この法律の施行に関し必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。
第 51 条
事業主が、次の各号のいずれかに該当するときは、6 月以下の懲役又は 30 万円以下の罰金に処する。労働保険事務組合又は第 35 条第 1 項に規定する団体がこれらの各号のいずれかに該当する場合におけるその違反行為をした当該労働保険事務組合又は当該団体の代表者又は代理人、使用人その他の従業者も、同様とする。
1. 第 46 条の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は文書の提出をせず、若しくは虚偽の記載をした文書を提出した場合

労働安全衛生法

第 3 条
事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。
第 10 条
事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。
1. 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。
(以下略)
第 120 条
次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
第 10 条第 1 項、(以下略)

国家公務員災害補償法

国家公務員の公務上の災害は国が療養や療養の費用を負担しなければなりません。

第 10 条
職員が公務上負傷し、若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは疾病にかかつた場合においては、国は、療養補償として、必要な療養を行ない、又は必要な療養の費用を支給する。

地方公務員災害補償法

地方公務員の公務上の災害は地方自治体が療養や療養の費用を負担しなければなりません。

第 26 条
職員が公務上負傷し、若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは疾病にかかつた場合においては、療養補償として、必要な培養を行ない、又は必要な療養の費用を支給する。

健康保険法

労災、公災に対しては、労災保険、国や自治体から療養の給付を受けられる場合は健康保険は療養の給付を行わない、すなわち、労災、公災に健康保険を使ってはいけないということです。

  • 不正に健康保険の給付を受けた場合、保険者は、患者、医師、事業主から費用を徴収することになっています。
  • 特に、医師や保険調剤薬局は、返還すべき額の 1.4 倍を払わされるというペナルティーがあります。
  • 不正を隠したり嘘をついたりした事業主は 6 カ月以下の懲役又は 50 万円以下の罰金です。
  • 事業主以外の者で不正を隠したり嘘をついたりした場合は 6 カ月以下の懲役又は 30 万円以下の罰金です。
  • 被保険者 ( 患者 ) が不正を隠したり嘘をついたりした場合は 30 万円以下の罰金です。
第 55 条
被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、特定療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、傷病手当金若しくは埋葬料の支給は、同一の疾病、負傷又は死亡について、労働者災害補償保険法 ( 昭和 22 年法律第 50 号 )、国家公務員災害補償法 ( 昭和 26 年法律第 191 号。他の法律において準用し、又は例による場合を含む。) 又は地方公務員災害補償法 ( 昭和 42 年法律第 121 号 ) 若しくは同法に基づく条例の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わない。
第 58 条
偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者があるときは、保険者は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。
2 前項の場合において、事業主が虚偽の報告若しくは証明をし、又は第 63 条第 3 項第 1 号に規定する保険医療機関若しくは第 86 条第 1 項第 1 号に規定する特定承認保険医療機関において診療に従事する第 64 条に規定する保険医若しくは第 88 条第 1 項に規定する主治の医師が、保険者に提出されるべき診断書に虚偽の記載をしたため、その保険給付が行われたものであるときは、保険者は、当該事業主、保険医又は主治の医師に対し、保険給付を受けた者に連帯して前項の徴収金を納付すべきことを命ずることができる。
3 保険者は、第 63 条第 3 項第 1 号に規定する保険医療機関若しくは保険薬局若しくは第 86 条第 1 項第 1 号に規定する特定承認保険医療機関又は第 88 条第 1 項に規定する指定訪問看護事業者が偽りその他不正の行為によって療養の給付に関する費用の支払又は第 85 条第 5 項、第 86 条第 3 項、第 88 条第 6 項 ( 第 111 条第 3 項において準用する場合を含む。) 若しくは第 110 条第 4 項の規定による支払を受けたときは、当該保険医療機関若しくは保険薬局若しくは特定承認保険医療機関又は指定訪問看護事業者に対し、その支払った額につき返還させるほか、その返還させる額に 100 分の 40 を乗じて得た額を支払わせることができる。
第 60 条
厚生労働大臣は、保険給付を行うにつき必要があると認めるときは、医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行った者又はこれを使用する者に対し、その行った診療、薬剤の支給又は手当に関し、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
2 厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、療養の給付又は入院時食事療養費、特定療養費、療養費、訪問看護 療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給を受けた被保険者又は被保険者であった者に対し、当該保険給付に係る診療、調剤又は第 88 条第 1 項に規定する指定訪問看護の内容に関し、報告を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
第 198 条
厚生労働大臣又は社会保険庁長官は、被保険者の資格、標準報酬、保険料又は保険給付に関して必要があると認めるときは、事業主に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員をして事業所に立ち入って関係者に質問し、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
第 208 条
事業主が、正当な理由がなくて次の各号のいずれかに該当するときは、6 月以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処する。
5. 第 198 条第 1 項の規定による文書その他の物件の提出若しくは提示をせず、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第 209 条
事業主以外の者が、正当な理由がなくて第 198 条第 1 項の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、6 月以下の懲役又は 30 万円以下の罰金に処する。
第 210 条
被保険者又は被保険者であった者が、第 60 条第 2 項 ( 第 149 条において準用する場合を含む。) の規定により、報告を命ぜられ、正当な理由がなくてこれに従わず、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由がなくて答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、30 万円以下の罰金に処する。

国民健康保険法

国民健康保険も社会保険と同じ罰則の規定です。

さらに、不正を隠したり嘘をついた医師や薬剤師には、10 万円以下の過料というペナルティーもあります。

第 56 条
療養の給付又は入院時食事療養費、特定療養費、訪問看護療養費、特別療養費若しくは移送費の支給は、被保険者の当該疾病又は負傷につき、健康保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法 ( 他の法律において準用し、又は例による場合を含む。) 若しくは地方公務員等共済組合法の規定によつて、医療に関する給付を受けることができる場合又は介護保険法の規定によつて、それぞれの給付に相当する給付を受けることができる場合には、行わない。労働基準法 ( 昭和 22 年法律第 49 号 ) の規定による療養補償、労働者災害補償保険法 ( 昭和 22 年法律第 50 号 ) の規定による療養補償給付若しくは療養給付、国家公務員災害補償法 ( 昭和 26 年法律第 191 号。他の法律において準用する場合を含む。) の規定による療養補償、地方公務員災害補償法 ( 昭和 42 年法律第 121 号 ) 若しくは同法に基づく条例の規定による療養補償その他政令で定める法令による医療に関する給付を受けることができるとき、又はこれらの法令以外の法令により国若しくは地方公共団体の負担において医療に関する給付が行われたときも、同様とする。
第 65 条
偽りその他不正の行為によつて保険給付を受けた者があるときは、保険者は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。
2 前項の場合において、保険医療機関若しくは特定承認保険医療機関において診療に従事する保険医又は健康保険法第 88 条第 1 項に規定する主治の医師が、保険者に提出されるべき診断書に虚偽の記載をしたため、その保険給付が行われたものであるときは、保険者は、当該保険医又は主治の医師に対し、保険給付を受けた者に連帯して同項の徴収金を納付すべきことを命ずることができる。
3 保険者は、保険医療機関等若しくは特定承認保険医療機関又は指定訪問看護事業者が偽りその他不正の行為によつて療養の給付に関する費用の支払又は第 52 条第 3 項、第 53 条第 3 項若しくは第 54 条の 2 第 5 項の規定による支払を受けたときは、当該保険医療機関等若しくは特定承認保険医療機関又は指定訪問看護事業者に対し、その支払つた額につき返還させるほか、その返還させる額に 100 分の 40 を乗じて得た額を支払わせることができる。
114 条
厚生労働大臣又は都道府県知事は、保険給付に関して必要があると認めるときは、医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行つた者又はこれを使用する者に対し、その行つた診療、薬剤の支給又は手当に関し、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
2 厚生労働大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、療養の給付又は入院時食事療養費、特定療養費、訪問看護療養費若しくは特別療養費の支給を受けた被保険者又は被保険者であつた者に対し、当該療養の給付又は入院時食事療養費、特定療養費、訪問看護療養費若しくは特別療養費の支給に係る診療、調剤又は指定訪問看護の内容に関し、報告を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
第 123 条
被保険者又は被保険者であつた者が、第 114 条第 2 項の規定により報告を命ぜられ、正当な理由なしにこれに従わず、又は同条同項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由なしに答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、30 万円以下の罰金に処する。
第 124 条
医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行つた者又はこれを使用する者が、第 114 条第 1 項の規定により報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命ぜられ、正当な理由なしにこれに従わず、又は同条同項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由なしに答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、10 万円以下の過料に処する。

老人保健法

これも社会保険と同じです。

第 34 条
医療 ( 医療費の支給を含む。第 42 条第 3 項を除き、以下この款において同じ。)、入院時食事療養費の支給 ( 医療費の支給を含む。同項を除き、以下この款において同じ。) 又は特定療養費の支給 ( 医療費の支給を含む。同項を除き、以下この款において同じ。) は、当該疾病又は負傷につき、労働者災害補償保険法 ( 昭和 22 年法律第 50 号 ) の規定による療養補償給付若しくは療養給付その他政令で定める法令に基づく医療に関する給付を受けることができるとき、又はこれらの法令以外の法令により国若しくは地方公共団体の負担において医療に関する給付が行われたときは、その限度において、行わない。
第 42 条
偽りその他不正の行為によつて医療、入院時食事療養費の支給又は特定療養費の支給を受けた者があるときは、市町村長は、その者からその医療に関し支払つた価額、支給した入院時食事療養費の額又は支給した特定療養費の額の全部又は一部を徴収することができる。
2 前項の場合において、保険医療機関等又は特定承認保険医療機関において診療に従事する保険医等 ( 薬剤師を除く。) が、市町村長に提出されるべき診断書に虚偽の記載をしたため、その医療、入院時食事療養費の支給又は特定療養費の支給が行われたものであるときは、市町村長は、当該保険医等に対し、医療、入院時食事療養費の支給又は特定療養費の支給を受けた者に連帯して同項の徴収金を納付すべきことを命ずることができる。
市町村は、保険医療機関等又は特定承認保険医療機関が偽りその他不正の行為により医療に関する費用の支払、第 31 条の 2 第 5 項の規定による支払又は第 31 条の 3 第 4 項の規定による支払を受けたときは、当該保険医療機関等又は特定承認保険医療機関に対し、その支払つた額につき返還させるほか、その返還させる額に 100 分の 40 を乗じて得た額を支払わせることができる。

保険医療機関及び保険医療養担当規則

保険医は健康保険を正しく取り扱わなければなりません。労災隠しを見て見ぬ振りはだめなのです。

第 2 条
3 保険医療機関は、その担当する療養の給付に関し、厚生労働大臣又は地方社会保険事務局長に対する申請、届出等に係る手続及び療養の給付に関する費用の請求に係る手続を適正に行わなければならない。
4 保険医療機関は、その担当する療養の給付に関し、健康保険事業の健全な運営を損なうことのないよう努めなければならない。

刑法

医師や患者が健康保険を不正に使用した場合の最大の罰則が、詐欺罪、10 年以下の懲役です。

旧来の健康保険証の注意書きには、業務災害 ( 労災、公災 ) に使ってはいけないこととともに、この詐欺罪のことが書かれているものが多くあります。

第 246 条
人を欺いて財物を交付させた者は、10 年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

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Last-modified: 2011-02-11 (金) 00:03:34 (2360d)