医療事故

医療事故 ( アクシデント )

医療の全過程で発生する事故全てを指し、健康被害を医療者・患者などに生じたもので、医療者の過失は問わない。

  • 医療にかかわる場所で、医療の全過程において発生する人身事故一切を包含する言葉として使われている。
  • 医療事故には、患者ばかりでなく医療従事者が被害者である場合も含み、また、廊下で転倒した場合のように医療行為とは直接関係しないものも含んでいる。
  • 医療事故のすべてに医療提供者の過失があるというわけではなく、「過失のない医療事故 ( 不可抗力により発生した医療事故 )」と「過失のある医療事故 ( 医療過誤 )」を分けて考える必要がある。

医療過誤

過失による医療事故で、患者に危害を及ぼした場合。「医療ミス」は一般によく使われているが、「医療過誤」とほぼ同義である。

  • 医療の過程において医療従事者が当然払うべき業務上の注意義務を怠り、これによって患者に傷害を及ぼした場合をいう。
  • 事故の事例ごとにおける過失の有無については、必ずしも明確でない場合がある。
  • 裁判になった場合、事実認定が過故発生時の医療水準によるため、過誤の範囲は時、場合とともに変化する。
  • 直接的ないしは間接的に医療関係者が当然払うべき注意義務を怠った結果発生した人為的なミスであり、民事訴訟 ( 民法第 709 条の不法行為責任や第 415 条の債務不履行責任など ) による賠償責任のみならず、刑事訴訟 ( 刑法第 204 条の傷害罪や第 211 条の業務上過失致死傷害罪など ) により刑事責任を問われる可能性がある。
  • 行政からは、医道審議会の決定により免許の取消や停止といった行政処分 ( 医師法第 7 条 ) を受けることがある。
  1. 直接的医療過誤 : 医療関係者の知識や技術の不足、不注意や判断の誤りなどにより生じた事故
  2. 間接的医療過誤 : コンピュータや医療器械、その他施設構造物の故障、破損などにより間接的に発生した医療事故

インシデント ( 未然事故 )

事故 " アクシデント " に対応する言葉。患者に傷害を及ぼすまでには至らなかったが、" ヒヤリ "、" ハッと " した経験をいう。

  • 実際には医療事故には至らないまでも一歩誤れば事故につながり得る事態を指し、インシデントの情報を収集し分析することが事故予防に貢献する。

ホーキンスの法則 ( F.H. Hawkins )

人間のエラーの確率は、単純な作業で 1/100、整備された環境での作業で 1/1000 である。

  • エラーは特定の不注意な個人に生じる問題ではなく、ある確率で人間一般に起きる、いわば人間の情報処理機能の限界といえる。

エラー

(1) 行為者自身が意図したものでない場合、(2) 規則に照らして望ましくない場合、(3) 第三者からみて望ましくない場合、(4) 客観的期待水準を満足しない、などの人間の行為をいう。

  • 人間の情報処理能力は、環境、心理的状態、身体的状態等の様々な要因により、同じ場面、同じ人間であっても、差が生じる。

ハインリッヒの法則 ( Heinrich )

1 件の重大な事故の背景には、29 件の軽度な事故が起こっていて、さらに 300 件の無傷で済む事故がその背景にあるというもの。すべての災害の下には、おそらく数千に達すると思われるだけの不安全行動と不安全状態が存在する。

  • アメリカのハインリッヒが、「災害防止の科学的研究 ( 1931 ) 」の中で明らかにした。
  • 半世紀にわたる労働災害保険のデータ 55 万件を分類して、死亡・重症が 1,666 件、軽症が 48,334 件であったことにより、死亡・重症 : 軽症 : 無災害 ( 物損 ) = 1 : 29 : 300 の割合を見出した。

参考


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2008-09-10 (水) 13:43:13 (3357d)