医行為

医療についての法的な定義です ( " 医療 " という言葉を定義した法令はありませんが )。

医業

  • 医行為を " 業 " として行うこと。
  • 医師でなければ医業をしてはならない ( 医師法第 17 条 )。
  • " 業 " とは、反復継続の意思を持って行うこと ( 大審院判決 1916.2.5 他 )。
  • " 業 " は反復継続を意図した行為で、緊急避難的行為は除かれる。
  • " 業 " は意思を持って行われる行為で、営利を目的とするかどうかとは関係ない ( 大審院判決 1916.2.5、東京高裁判決 1967.3.16 他 )。
  • 偶然に反復された行為は " 業 " ではない。
  • " 業 " は不特定多数のものを対象として行うこと。自己が対象のものは除かれる。
  • 家族に対する行為も、従来自己に対する行為に準じて扱われている場合がある。

医行為

  • 医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は及ぼす恐れのある行為 ( 1964.6.13 医事 44 の 2 )。
  • 医学上の知識と技能を有しないものがみだりにこれを行うときは、生理上危険のある程度に達している行為 ( 最高裁判決 1955.5.24 他 )。
  • 医行為または医業類似行為を免許を有しないものが行った場合、" 人体に危害を及ぼす恐れ " があることが処罰の要件になる。
  • 人体への危険性 ( 生理上の危険 ) は、人の健康に害を及ぼすことが具体的に認められるものであることを要せず、抽象的危険性で足りる ( 大審判 1926.12.25、東京高裁判決 1967.3.16、浦和地裁川越支部判決 1988.1.23 )。
  • 正常な医療を受ける機会を失わしめる恐れがあること ( 消極的弊害 ) も禁止の対象 ( 最高裁判決の裁判官意見 1960.1.27 )。
  • 直接的医行為 : 患者に対して直接行う医行為。行為そのものが直接的に人体に危害を及ぼす恐れのある行為。以下例。
    • 侵襲的行為
      • 採血、投薬、注射、放射線照射、処置、手術、麻酔、生命維持管理装置の操作、など
    • 非侵襲的行為
      • 理学療法、視能訓練、検眼 ( 検眼機を用いた度数の測定 ) など
    • 行為そのものは必ずしも人体に危害を及ぼす恐れがあるとは言えないが、診療の一環として行われ、結果を利用する等により結果として人体に危害を及ぼす恐れのある医行為
      • 問診、診察、生理学的検査 ( 心電図、脳波、呼吸機能検査、聴力検査、眼底検査、超音波検査、など )、傷病者の療養の指導、告知
  • 間接的医行為 : 患者に対して直接行うものではない医行為
    • 検体検査は医行為ではない。
      • 血液学的検査、微生物学的検査など
      • 検体採取、検査結果の医学的判断には医師が介在する。
  • 医行為であるか否かは、その目的又は対象の如何によるものではなく、その方法又は作用の如何による。医行為の目的は治療に限定されない ( 1966.9.26 医事課長通知 )。
  • 広義の医療 ( 包括的医療 ) における行為も医行為に含まれる。
  • 医師法の規定に基づく診断書、処方箋の交付など、証明行為は医行為 ( 医師法第 19 条第 2 項、医師法第 22 条、1975.4 医事課長通知、他 )。
  • 治療を目的としない医行為
    • 美容外科行為、優性手術、人工妊娠手術など
  • 採血、移植用臓器の摘出も医行為 ( 採血及び供血あっせん業取締法第 14 条 )

参考


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Last-modified: 2010-08-19 (木) 21:31:29 (2592d)