*医療機関における休日及び夜間勤務の適正化について [#ud9cea3e]

[[医療機関における休日及び夜間勤務の適正化について pdf 580KB:http://hcoa.jp/pdf/roudou/20020319_0319007.pdf]]

基発第 0319007 号

平成 14 年 3 月 19 日

都道府県労働局長殿

厚生労働省労働基準局長

一部医療機関においては、休日及び夜間勤務について、労働基準法第41条及び労働基準法施行規則第23条に基づく許可を受け、断続的労働である宿日直勤務として取り扱っているところであるが、このような医療機関のうち、救急医療を行う一部の医療機関において、宿日直勤務中に救急医療等の通常の労働が頻繁に行われているなど断続的労働である宿日直勤務として取り扱うことが適切でない例などが少なからず認められるところである。

また、休日及び夜間における宿日直業務に係る問題については、労働基準監督機関に対する申告が散見されるとともに、報道機関においても取り上げられているなど社会的な問題として顕在化しつつある状況が見られる。

ついては、これまでに宿日直勤務に係る許可を行った医療機関等に対して、今般、下記により宿日直勤務を中心とした休日及び夜間勤務の適正化を図ることとしたので遺憾なきを期されたい。

なお、社団法人日本病院協会等に対しては、別添のとおり、休日及び夜間勤務の適正化等について要請を行っているので申し添える。

記

1 基本的な考え方

労働基準法(以下「法」という。)第 41 条及び労働基準法施行規則第 23 条においては、断続的労働である宿日直勤務について、所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合には、これに従事する労働者を法第 32 条の規定にかかわらず使用することができるとしている。したがって、これらの労働者については、突発的に通常の労働を行った場合を除き、法第 36 条に基づく労使協定の締結・届出等を行うことなく、また、法第 37 条に基づく割増賃金を支払うことなく、法定労働時間を超えて労働させることができるものである。

ここでいう宿日直勤務とは、所定労働時間外又は休日における勤務の一態様であり、当該労働者の本来業務は処理せず、構内巡視、文書・電話の収受又は非常事態に備えて待機するもの等であって常態としてほとんど労働する必要がない勤務である。医療機関における原則として診療行為を行わない休日及び夜間勤務については、病室の定時巡回、少数の要注意患者の定時検脈など、軽度又は短時間の業務のみが行われている場合には、宿日直勤務として取り扱われてきたところである。

しかしながら、宿日直勤務に係る許可を行った医療機関等においては、宿日直勤務において突発的に行われる通常の労働に対して割増賃金を支払ってないもの、宿日直回数が許可時の条件を上回っているものなどの問題が認められるものも散見される。また、救急医療体制の体系的な整備が進められてきたことに伴い、宿日直勤務において救急医療が頻繁に行われ、断続的労働である宿日直勤務として対応することが適切でない状況にあるにもかかわらず、断続的労働である宿日直勤務として法第36条に基づく労使協定の締結・届出等を行うことなく、また、法第 37 条に基づく割増賃金を支払うことなく労働させているものも少なからず認められるところである。

今回の一連の取組は、このような状況を踏まえ、宿日直勤務に係る許可を行った医療機関等を対象として、休日及び夜間勤務について、その労働実態を把握し、法第41条に基づく断続的労働である宿日直勤務として取り扱うことが適切であるかについて確認を行い、問題が認められる場合には、宿日直勤務に係る許可基準に定められた事項の履行確保を図ること又は宿日直勤務に係る許可の取消を行うことにより、その適正化を図ることとしたものである。

なお、本通達に基づく取組の対象とならない医療機関であっても、労働基準法等関係法令上の問題が認められる場合には、監督指導を実施するなどにより適切に対処することとする。

2 対象事業場

宿日直勤務に係る許可を受けた医療機関とすること。

3 具体的な対応

次の (1) から (3) まで順次実施すること。

(1) 自主点検表の送付・回収による宿日直勤務の労働実態の把握及び分類

上記 2 の宿日直勤務に係る許可を受けた医療機関全数に対して、自主点検表を送付し、これを回収すること。また、回収した自主点検表に基づき、医療機関の現状の労働実態に対して、以下に示すところにより分類を行うこと。

ア 交代制を導入するなどにより既に宿日直勤務を行っていない医療機関

イ 宿日直勤務について、許可基準に定められた事項を満たしており、問題がないと考えられる医療機関

ウ 宿日直勤務について、一部許可基準に定められた事項を満たしてないものの、その労働実態から、引き続き休日及び夜間について断続的労働である宿日直勤務として取り扱うことが可能であると考えられる医療機関

エ 宿日直勤務中に救急医療が頻繁に行われるなどの労働実態から、休日及び夜間勤務を断続的労働である宿日直勤務として取り扱うことが適切でないと考えられる医療機関

(2) 集団指導等の実施

ア (1) のアであって、宿日直勤務に係る許可を行っている医療機関については、その必要性がなくなっているので、現在の労働実態を確認の上、許可を取り消すこと。

イ (1) のウに対しては、集団指導を実施し、法第 41 条に基づく断続的労働である宿日直勤務の適正化等について改善指導を行うとともに、一定期日を付して、報告書の提出を求めること。

ウ (1) のエ及び自主点検表の未提出事業場に対しては、集団指導を実施し、法第 41 条に基づく断続的労働である宿日直勤務の趣旨及び許可基準に定められた事項の遵守又は交代制の導入等勤務体制の見直しを行う必要があることについて説明し、一定期日を付して報告書の提出を求めること。また、監督指導を通じて、休日及び夜間勤務の労働実態から断続的労働である宿日直勤務で対応することが適切でないことが明らかになった場合には、許可の取消を行う旨の説明を行うこと。

エ 集団指導に出席しない上記イ及びウの医療機関に対しては、別途文書による指導を行い、報告書の提出を求めること。

(3) 監督指導の実施及び許可の取消

上記 (2) のイ、ウ及びエにより指導を行ったにもかかわらず、報告書を提出しない医療機関及び報告書の内容から、断続的労働である宿日直勤務に問題があると考えられる医療機関に対しては、監督指導を実施すること。その結果、通常の労働が行われているにもかかわらず法第37条に基づく割増賃金を支払っていないなど許可基準に定められた事項上の問題点が認められた場合には、法違反として指摘するなど所要の措置を講じること。また、その労働実態から、断続的労働である宿日直勤務で対応することが適切でないことが明らかとなったものについては、許可の取消を行うこと。

*別添 医療機関における休日及び夜間勤務の適正化について(要請) [#r97bfaee]

基発第 0319007 号の 2

平成 14 年 3 月 19 日

社団法人日本病院会長

社団法人全日本病院協会長

社団法人日本医療法人協会長

社団法人全国自治体病院協議会長殿

厚生労働省労働基準局長

貴職におかれましては、平素より労働基準行政の運営につきまして、格別な御理解と御協力を頂いておりますことに厚く御礼申しあげます。

さて、医療機関におきましては、休日や夜間における勤務のうち一部においては労働基準法(以下「法」といいます。)第 41 条及び労働基準法施行規則第 23 条に基づく許可を受け、断続的労働である宿日直勤務として取り扱われている状況がみられます。この宿日直勤務については、原則として通常の業務は行わず、非常事態に備えて待機するもの等であって常態としてほとんど労働をする必要のない勤務であることから、突発的に通常の労働を行った場合を除き、法第 38 条で定める労使協定の締結・届出等を行うことなく、法定労働時間を超えて労働させることができ、また、法第 37 条に定める割増賃金を支払うことなく労働させることができることとなっています。

しかしながら、宿日直勤務に係る許可を受けている医療機関の中には、宿日直勤務において突発的に行われる通常の労働に対して割増賃金を支払っていないもの、宿日直回数が許可時の条件を上回っているものなどの問題が認められるものもあります。また、救急医療体制の体系的な整備が進められてきたことに伴い、宿日直勤務において救急医療が頻繁に行われ、断続的労働である宿日直勤務として対応することが適切でない状況にあるにもかかわらず、断続的労働である宿日直勤務として、法第36条に基づく労使協定の締結・届出等を行うことなく、また、法第 37 条に基づく割増賃金を支払うことなく労働させているものも少なからず認められるところです。

このような状況から、今般、平成 14 年 3 月 19 日付け基発第 0319007 号「医療機関における休日及び夜間勤務の適正化について」(別添)を発出し、宿日直勤務に係る許可を行った医療機関等を対象として、休日及び夜間勤務について、その労働実態を把握し、法第 41 条に基づく断続的労働である宿日直勤務として取り扱うことが適切であるかについて確認を行い、問題が認められる場合には、宿日直勤務に係る許可基準に定められた事項の履行確保を図ること又は宿日直勤務に係る許可の取消を行うことにより、その適正化を図ることとしました。
つきましては、貴職におかれましても、貴会会員に対して、

(1) 休日及び夜間勤務における労働実態について確認を行うこと

(2) 休日及び夜間勤務の労働実態から断続的労働である宿日直勤務によることが困難である場合には、法第 41 条に基づく断続的労働である宿日直勤務としての取扱いを廃止し、交代制の導入等について検討すること

(3) 休日及び夜間勤務の労働実態から、引き続き宿日直勤務により対応が可能であるものの、突発的に行われる通常の労働に対して法第37条に基づく割増賃金を支払うなどの許可基準に定められた事項(別紙参照)を満たしていない場合においては、許可基準に定められた事項を遵守すること

等について指導を頂きますようお願い申しあげます。

**(別紙)労働基準法第 41 条に定める宿日直勤務について [#q46c9eda]

1 宿日直勤務の趣旨

宿日直勤務とは、仕事の終了から翌日の仕事の開始までの時間や休日について、原則として通常の労働は行わず、労働者を事業場で待機させ、電話の対応、火災等の予防のための巡視、非常事態発生時の連絡等に当たらせるものです。したがって、所定時間外や休日の勤務であっても、本来の業務の延長と考えられるような業務を処理することは、宿日直勤務と呼んでいても労働基準法(以下「法」という。)上の宿日直勤務として取り扱うことはできません。

これらの宿日直勤務については、宿日直勤務に従事している間は、常態としてほとんど労働する必要がないことから、所轄労働基準監督署長の許可を受ければ、法第 33 条の届出又は法第36条に基づく労使協定の締結・届出を行ったり、法第 37 条に基づく割増賃金を支払う必要はないこととされています。

2 宿日直勤務の許可基準として定められている事項の概要

上記 1 のような宿日直勤務の趣旨に沿って、労働基準法上宿日直勤務の許可を行うに当たって、許可基準を定めていますが、医療機関に係る許可基準として定められている事項の概要は次の通りです。

(1) 勤務の態様

常態としてほとんど労働する必要がない勤務のみを認めるものであり、病室の定時巡回、少数の要注意患者の検脈、検温等の特殊な措置を要しない軽度の、又は短時間の業務を行うことを目的とするものに限ること。したがって、原則として、通常の労働の継続は認められないが、救急医療等を行うことが稀にあっても、一般的にみて睡眠が充分とりうるものであれば差し支えないこと。

なお、救急医療等の通常の労働を行った場合、下記3のとおり、法第37条に基づく割増賃金を支払う必要があること。

(2) 睡眠時間の確保等

宿直勤務については、相当の睡眠設備を設置しなければならないこと。また、夜間に充分な睡眠時間が確保されなければならないこと。

(3) 宿日直の回数

宿直勤務は、週 1 回、日直勤務は月 1 回を限度とすること。

(4) 宿日直勤務手当

宿日直勤務手当は、職種毎に、宿日直勤務に就く労働者の賃金の 1 人 1 日平均額の 3 分の 1 を下らないこと。

3 宿日直勤務中に救急患者の対応等通常の労働が行われる場合の取扱いについて

(1) 宿日直勤務中に通常の労働が突発的に行われる場合

宿日直勤務中に救急患者への対応等の通常の労働が突発的に行われることがあるものの、夜間に充分な睡眠時間が確保できる場合には、宿日直勤務として対応することが可能ですが、その突発的に行われた労働に対しては、次のような取扱いを行う必要があります。

+労働基準法第37条に定める割増賃金を支払うこと
+法第 36 条に定める時間外労働・休日労働に関する労使協定の締結・届出が行われていない場合には、法第 33 条に定める非常災害時の理由による労働時間の延長・休日労働届を所轄労働基準監督署長に届け出ること

(2) 宿日直勤務中に通常の労働が頻繁に行われる場合

宿日直勤務中に救急患者の対応等が頻繁に行われ、夜間に充分な睡眠時間が確保できないなど常態として昼間と同様の勤務に従事することとなる場合には、たとえ上記 (1) の 1. 及び 2. の対応を行っていたとしても、上記 2 の宿日直勤務の許可基準に定められた事項に適合しない労働実態であることから、宿日直勤務で対応することはできません。

したがって、現在、宿日直勤務の許可を受けている場合には、その許可が取り消されることになりますので、交代制を導入するなど業務執行体制を見直す必要があります。

**(参考)宿日直勤務に係る許可基準(抄) [#pf065ecb]

医療機関において宿日直勤務を行う場合には、下記 1 及び 2 の許可基準に定められた事項に適合した労働実態になければなりません。

1 医師及び看護師の宿直勤務に係る許可基準に定められた事項の概要

(1) 通常の勤務時間の拘束から完全に開放された後のものであること。即ち通常の勤務時間終了後もなお、通常の勤務態様が継続している間は、勤務から開放されたとはいえないから、その間は時間外労働として取り扱わなければならないこと。

(2) 夜間に従事する業務は、一般の宿直業務以外には、病室の定時巡回、異常患者の医師への報告あるいは少数の要注意患者の定時検脈、検温等特殊の措置を要しない軽度の、又は短時間の業務に限ること。従って下記 (5) に掲げるような昼間と同態様の業務は含まれないこと。

(3) 夜間に充分睡眠がとりうること。

(4) 上記以外に一般の宿直の許可の際の条件を充たしていること。

(5) 上記によって宿直の許可が与えられた場合、宿直中に、突発的な事故による応急患者の診療又は入院、急患の死亡、出産等があり、あるいは医師が看護師等に予め命じた処置を行わしめる等昼間と同態様の労働に従事することが稀にあっても、一般的にみて睡眠が充分にとりうるものである限り宿直の許可を取り消すことなく、その時間について法第 33 条又は 36 条第一項による時間外労働の手続きをとらしめ、法第 37 条の割増賃金を支払わしめる取扱いをすること。従って、宿直のために泊り込む医師、看護師等の数を宿直する際に担当する患者数との関係あるいは当該病院等に夜間来院する急病患者の発生率との関係等からみて、上記の如き昼間と同態様の労働に従事することが常態であるようなものについては、宿直の許可を与える限りではない。例えば大病院等において行われる二交代制、三交代制等による夜間勤務者の如きは少人数を以て上記勤務のすべてを受け持つものであるから宿直の許可を与えることはできないものである。

(6) 小規模の病院、診療所等においては、医師、看護師等、そこに住み込んでいる場合があるが、この場合にはこれを宿直として取り扱う必要はないこと。但し、この場合であっても上記 (5) に掲げるような業務に従事するときは、法第 33 条又は法第 36 条第一項による時間外労働の手続が必要であり、従って第 37 条の割増賃金を支払わなければならないことはいうまでもない。

(7) 病院における医師、看護師のように、賃金額が著しい差のある職種の者が、それぞれ責任度又は職務内容に異にする宿日直を行う場合においては、1 回の宿日直手当の最低額は宿日直につくことの予定されているすべての医師ごと又は看護師ごとにそれぞれ計算した一人一日平均額の 3 分の 1 とすること。

2 一般の宿日直勤務に係る許可基準に定められる事項の概要

(1)勤務の態様

ア 常態として、ほとんど労働する必要のない勤務のみを認めるものであり、定時的巡視、緊急の文書又は電話の収受、非常事態に備えての待機等を目的とするものに限って許可するものであること。

イ 原則として、通常の労働の継続は許可しないこと。従って始業又は終業時刻に密着した時間帯に、顧客からの電話の収受又は盗難・火災防止を行うものについては、許可しないものであること。

(2) 宿日直手当

ア 宿直勤務 1 回についての宿直手当(深夜割増賃金を含む。)又は日直勤務 1 回についての日直手当の最低額は、当該事業場において宿直又は日直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者に対して支払われる賃金(法第 37 条の割増賃金の基礎となる賃金に限る。)の一人一日平均額の 3 分の 1 を下らないものであること。ただし、同一企業に属する数個の事業場について、一律の基準により宿直又は日直の手当額を定める必要がある場合には、当該事業場の属する企業の全事業場において宿直又は日直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者について一人一日平均額によることができるものであること。

イ 宿直又は日直勤務の時間が通常の宿直又は日直の時間に比して著しく短いものその他所轄労働基準監督署長が上記アの基準によることが著しく困難又は不適当と認めたものについては、その基準にかかわらず許可することができること。

(3) 宿日直の回数 許可の対象となる宿直又は日直の勤務回数については、宿直勤務については週 1 回、日直勤務については月 1 回を限度とすること。ただし、当該事業場に勤務する 18 歳以上の者で法律上宿直又は日直を行いうるすべてのものに宿直又は日直をさせてもなお不足でありかつ勤務の労働密度が薄い場合には、宿直又は日直業務の実態に応じて週 1 回を超える宿直、月 1 回を超える日直についても許可して差し支えないこと。

(4) その他 宿直勤務については、相当の睡眠設備の設置を条件とするものであること。



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