*政府保障事業 [#o8a03a6f]

政府は、ひき逃げされたときにおいて加害自動車の保有者が不明だったり、加害車両が自賠責保険の締結がない無保険車であったような場合でも、自賠法の定めるところによって保障事業を行い被害者の救済を図っています。

**保障事業の対象となるとき [#tef10d85]

+自動車にひき逃げされたときにおいて、保有者が明らかでない場合
+無保険車 ( 自賠責保険に加入する義務を怠っている自動車、自賠責保険の保険期間が経過してしまっている自動車、自賠責保険に加入しているがまだ保険期間が始まっていない自動車、自賠責保険に加入する手続はしているが保険料未納などで保険会社で責任をもっていない自動 ) との交通事故によって死傷した場合
+構内自動車 ( 道路上で運転しない自動車で自動車登録原簿に登録を受ける必要のない自動車 ) との交通事故によって死傷した場合
+盗難、無断運転などで保有者に全く責任が認められない自動車との交通事故によって死傷した場合

**保障事業の対象とならないとき [#m1d0650e]
+加害者に賠償責任が発生しない場合 ( 自賠責保険は賠償責任保険であるため )
+自動車の運行によって死傷したものでない場合
+被害者が自賠法第 3 条の他人に当たらない場合 ( 保有者、運転者等 )
+請求期間を過ぎて時効となっている場合

自賠責保険に加入している自動車による事故の場合であって、保有者及びその責任が明らかなのに保有者が損害賠償をしなかったり、自賠責保険の請求手続をとってくれないからといって、この保障事業を適用することは
できません。この場合には、保険会社に対していわゆる被害者請求をするか、裁判所に損害賠償訴訟を起こすことになります。
自賠責保険に加入している自動車による事故の場合であって、保有者及びその責任が明らかなのに保有者が損害賠償をしなかったり、自賠責保険の請求手続をとってくれないからといって、この保障事業を適用することはできません。この場合には、保険会社に対していわゆる被害者請求をするか、裁判所に損害賠償訴訟を起こすことになります。

**保障事業の対象となった事故によるけが等の治療における社会保険との関係 [#p63c3027]

健康保険、労災保険等の社会保険の給付が受けられる場合は、これらを優先して利用することとなっています。

**請求権者 [#o46741e9]

-傷害・後遺障害の場合、被害者または被害者から委任を受けた人。
-被害者が請求時点で未成年の場合、親権者 ( 父母等 )。

医療機関からの治療費のみの請求は認められていません。

**請求先および手続 [#d5472b0a]

日本国内にある損害保険会社、農協の共済窓口などのいずれでも請求を受け付けています。請求には次の書類が必要です。

+自動車損害賠償保障事業への損害のてん補請求書
+委任状
+交通事故証明書 ( ひき逃げ、泥棒運転等による事故の証明 )
+事故発生状況報告書
+医師の診断書 ( 死亡した者については死亡診断書又は検案書 )
+診療報酬明細書
+印鑑証明書
+戸籍謄本 ( 請求者と被害者の続柄を証明 )
+その他支出明細書や領収書等

**自賠責保険との相違点 [#hd58f2ce]

+被害者の過失について過失相殺がある。
+健康保険や労災保険などの社会保険から給付を受けたり、加害者から損害賠償を受けたときは、その金額に相当する額については、補償金の限度額 ( 120 万円 ) から控除される(自賠法 73 条 )。したがって、政府保障事業より先に、健康保険や労災保険などの社会保険から給付を受けるべきということになっている。
+政府保障事業が被害者に補償金を支払ったときは、政府はその分を加害者に対して求償する ( 自賠法第 76 条 )。
+政府保障事業の業務のうち、損害てん補額の決定以外の業務は保険会社に委託されているので、被害者は保険会社で請求手続きをして、補償金を受け取ることができる。
+1 事故 1 回限りの請求で、治療費の委任払いはない。
+一般的に、自賠責保険に請求するよりも支払いに日数を要する場合が多い。

**時効 [#cb0af102]

政府の保障事業に対する請求は、事故発生の翌日から起算して 2 年 ( 後遺障害は症状固定の日から 2 年 ) で時効となって請求ができなくなります。

一般の自賠責保険の請求と異なり、政府保障には時効の中断がありません。治療中等で時効になる場合は、事前に損害保険料率算出機構の各地方調査事務所に相談する必要があります。

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