サクランボ摘み †

保険というもの †

生命保険の契約をするとき、健康審査を受けさせられます。健康状態の良い人は保険会社にとって良い客です。掛け金を少々お安くしてあげても、死んだり病気になる可能性が低いから保険金をあまり支払わなくて済みます。

反対に健康状態に問題がある人は、掛け金が高くなる、いざ病気になったときに免責条項のために保険金が支払われない、そもそも保険契約ができないなど、さまざまな不利を被ります。

生命保険というものは、保険会社が販売する商品であり、人がどれくらいの確率で死ぬか、人が病気になるかならないかに賭けをしている、言葉悪くいえば博打です。博打は胴元が一番儲かるようにできています。保険会社は良い客とだけ契約したい、こういう商行為をサクランボ摘みといいます ( つまりおいしいサクランボだけ摘みたいのです )。

社会保障・公的医療保険の縮小 †

公的医療保険 ( 社会保険や国民健康保険 ) にはこういう仕組みはありません。国民健康保険か社会保険か、保険者によって保険料の違いはありますが、日本中、病気の人も健康な人も、老人も子供も、平等な負担で、誰でも加入できます。と申しますか、相互扶助の社会保障制度であり、保険への加入が義務づけられています。

規制改革・民間開放推進会議とそれに関係する経済界の勢力は、医療保険商品を開発、販売し、現在、税金と公的医療保険でまかなっている約 30 兆円という国民医療費の何割かを、自由な医療保険商品に振り替えさせようとしているのです。

国民皆保険にさらに上乗せする医療保険サービスを導入し、国民皆保険の部分に支出する国の税金や企業の社会保険の掛け金を減らしていこうとしています。

そのために 2004 年、小泉内閣とともに混合診療の導入を画策しました。

基本的な医療は国民皆保険で、より良い高度な医療は医療保険商品で、となりますと、当然、サクランボ摘みが始まります。より良い高度な医療を提供する保険商品は、お金のある人、健康状態が良い人のためだけのものとなり、お金の無い人、健康状態の悪い人にとってはより良い高度な医療は手の届かないものとなります。

しかも小泉内閣、財務省、規制改革・民間開放推進会議、経済界は、国民皆保険にかけるお金を減らそうとしています。国民が等しく受けることができる医療の範囲を狭めていこうとしているのです。

混合診療と医療保険商品は、彼らの商売の道具です。もうかる人、よりよい高度な医療を受けることができる人が出てくる反面、受けられる医療が制限される人が増え、日本の社会保障としての医療は縮小、崩壊していきます。

参考までに †

米国には、ヨーロッパ先進諸国や日本のような社会保障としての公的医療保険はありません。高齢者と低収入者のための医療を供給する制度があるだけです。医療保険は保険会社が売る商品です。その医療保険に入れない人が 4000 万人以上いるのです。


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Last-modified: 2008-09-10 (水) 13:52:47 (3356d)