老人医療の誤解 †

現在、国民医療費の 3 割が老人医療費となっています。そして 20 年後には老人医療費が 6 割になると政府もマスコミも宣伝しています。しかしなぜそうなるのかを政府やマスコミは説明していません。

1 日あたりの診療費 †

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そのため老人は肩身の狭い思いをしています。また病院も老人を相手に金儲けをしているような誤解を受けています。なぜ老人医療費が高くなるのでしょうか。

老人と若者との間に入院、外来の治療費の違いはありません。つまり老人医療が高くなるのは、老人は病気になる頻度、入院する頻度が増えるからです。高齢化社会となり老人が増えれば老人医療費が増えるのは当然のことです。老人が増えることはそれだけ健全な国家であると誇ってよいのに、政府は逆の宣伝をしています。政府はこの情報を隠したまま、老人医療費に一定の枠を設けようとしています。つまり制限医療の導入です。

現在、3.7 人が 65 歳以上の老人を支え、20 年後には 2 人が 1 人の老人を支えなければならない。このイラストを見せられると誰でも驚くことでしょう。しかしこの御神輿を担ぐ人のイラストにはトリックが隠されています。この御神輿の上に乗っているのが 65 歳以上の老人で、それを支えているのが 20 歳から 64 歳の人たちです。

しかし現在、65 歳以上の人で働いている人、女性で働いている人たちは沢山います。ですから 65 歳という年齢で区切ったイラストは、支えられる人を正確に反映していないのです。20 年前は 1 人の老人を 5.9 人が支えていましたが、現在は 3.7 人です。しかし 20 年前に比べ今の生活が苦しいわけではありません。

苦しいのは少子高齢化よりも、むしろ不況だからです。働きたくても職がない。そのため苦しく感じるのです。年齢構成の分布が変わっても、それが生活苦とは必ずしも結びつかないのです。

この御神輿を担ぐ人のイラストは民間人が作ったものですが、この御神輿のイラストによって政府はふたつの政策を成功させました。

ひとつは年金制度の改悪です。60 歳から支給されていた年金が 65 歳に段階的に引き上げられることになりました。年金の平均は月 17 万円ですから、5 年間で 1000 万円の減額になります。将来の高齢化社会を支えられないという宣伝により、年金の支給年齢の引き上げに成功したのです。

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さらに老人医療が 70 歳から 75 歳に引き上げられ、約 800 万人の高齢者の医療費の自己負担が増額されようとしています。少子高齢化により将来は大変になると洗脳され、国民は何の反対を示さずに、この政策を素直に受け入れました。この様に政府は情報操作を行い、国民を騙してふたつの政策を成功させました。

次に示すデータは厚生労働省がつくったものです。御神輿のイラストは単に年齢で区切ったものですが、年齢ではなく全労働者 1 人が支える扶養人数で計算すると、この 100 年間ほとんど変わりません。また将来も変わらないとされています。労働者には 65 歳以上で働いている人、また女性で働いている人も多く含まれています。

ですから政府は今後、老人を支える人数が少なくなると危機感を煽っていますが、労働者の実数で計算すると支える人数はここ数 10 年間、あるいは今後 20 年間変わらないのです。このデータは厚生労働省が作ったものですが、政府はこのデータを隠して将来不安をあおり、福祉政策の削減に成功したのです。

1 人の労働者が支える扶養人数 †

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Last-modified: 2008-09-10 (水) 13:52:54 (3358d)